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海外口座入門編(重要なこと)
一口に海外口座といっても、いろんな銀行、証券会社、外国為替専門の両替(FX)会社、いろんな種類の口座があります。法人相手サービス中心の口座やプライベートバンキングといって億万長者相手のサービス口座などもあります。そのような法人や個人は、専門コンサルタントや特別待遇の銀行、証券会社のサービスを利用できますので、このようなホームページの情報交換を必要とすることはないでしょう。ここではあくまで平均的庶民からちょっぴり小金持ち程度の日本の個人が、使うメリットのある口座を取り上げます。しかしそれに限っても、全貌を調べ上げるのは容易なことではありません。ここではわたしたちにとってなじみ易い、預けやすい銀行や証券会社、外国為替両替(FX)会社に絞ります。わたしたちにとってなじみ易い、預けやすいとはどんな条件か考えて見ると
語学上の問題が少ないこと。日本語はさすがに無理でも英語が十分に通じること。
インターネットバンキングが可能なこと。最悪でもFAXや電話での取引は必須。
最低預入れ額や金利、ファンドの購入など、庶民の資産運用面で日本より不利にならないこと。
銀行や証券会社、両替(FX)会社としての安定性が高いこと、具体的には格付けが高いこと。最悪でもS&PでBBB格以上。
銀行や証券会社、両替(FX)会社が個人情報の保護に対して、徹底した注意を払っていること。
銀行や証券会社、両替(FX)会社が存在する国や地域の政情や社会情勢が安定していて、できれば預金保険制度があること。
ドル、ユーロ、ポンド、できれば円など、世界の主要通貨での預入れを扱っていること。
税制面で有利な扱いを受けられる、あるいは最低でも日本より不利にならないこと。
など、いろいろなことが考えられます。海外口座をどのような目的で使うか、人によってこれら条件の優先順位は違ってくるでしょうし、他にも条件があるかも知れません。特に1については、英語ができないのに無理に海外口座を開くのは語学上のリスクを負います。ちょっとしたトラブル時に適切に対応できなかったことで、口座が凍結されたり最悪資産を失います。1については東アジアやハワイ、グアムの一部銀行を除いて、最低限意思疎通が可能なレベルの英語力を持たないと、別の大きなリスクを持つことに注意しましょう。ここでは、1〜8の条件をなるべく多く満足する海外口座を、以下のように「銀行や証券会社、両替(FX)会社の種類」と「口座の種類」の2つの観点から整理してみます。また銀行や証券会社、両替(FX)会社の種類の説明の後に、送金時に必要となる銀行コード種類、口座の種類、預金保険制度について説明をつけました。
もちろん、ここに書ききれないものや未発見の口座もあるでしょう。また、世界中の銀行や証券会社のサービスは日々変化していて、新しいサービスが出てくるかと思えば、今までのサービス内容が変更になったり廃止になったりすることも頻繁です。ただ、銀行業や証券業の大枠は変わらないのでおおよそのイメージはお分かりになると思います。また、新サービスや変更、廃止の詳細は、情報交換掲示版を参考にしてください。また、事実と違う点、内容が古い、追加参考情報など、お気づきの点がありましたら、情報交換掲示版までご連絡ください。
2004年9月7日現在 管理者 Bank Abroad
海外口座の種類にはその設置の主旨からいって、世界中の個人預金者や個人運用者をメインターゲットにしたものと、各国国内の個人預金者や個人運用者をメインターゲットにしたものがあります。これにも明快な境界線はありませんが、大まかにいって世界中の個人預金者や個人運用者相手のサービスは主にオフショア銀行やオフショア証券会社が手がけています。オフショアとは元々は世界各国の海岸から離れているという意味ですが、もちろん何もない公海上に銀行や証券会社があるわけではありません。世界各国の税制や法規制がら切り離された場所を立地に選ぶため、確かにオフショア銀行やオフショア証券会社は離れ小島にあることが多いですが、香港やスイス、ルクセンブルクなども税制や法規制が緩いため、オフショア銀行やオフショア証券会社が存在します。ただし、オフショア銀行やオフショア証券会社も立地によっては規制が甘すぎていい加減な経営を行ったり、詐欺まがいの行為を行ったり、個人属性・資産内容・運用状況など個人情報を漏洩している場合もあります。最初に述べた8つの条件をだいたい満足する立地や金融機関は限られますので、その選定には十分な吟味が必要です。一方、国内の個人預金者や個人運用者相手のサービスは、もちろん日本を含めて世界各国にあるわけです。要するに普通の銀行や普通の証券会社ですが、これらはオフショアと対比してオンショア銀行やオンショア証券会社と呼ばれたりもします。これらの中にも、国内非居住者、即ち外国人向けの口座サービスを提供している銀行や証券会社があります。ただし、8つの条件をだいたい満足する国の銀行や証券会社となると、英語圏あるいは準英語圏の先進国である米国、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、オランダ、デンマークなどの一部の国内銀行や国内証券会社となります。また、皆さんが海外旅行に出かけるとよく都市の街角で見かける両替商があります。あれは両替専門の金融機関の一種ですが、国際的な銀行間取引の外国為替レートに近い有利なレートで外国為替両替やそれに派生する資金運用サービスを行う外国為替両替(FX)会社もあります。これらの中には厳密には海外口座とは呼べないサービスのところもありますが、登録して口座を開き資金を置いておくことのできる会社もあります。その多くは取引額の大きい企業相手ですが、中には個人の小額両替に応じてくれるところもあります。これもオンショア、オフショアのいずれにも存在しますが、オフショアでは銀行や証券会社自体が同様なサービスを行っていることが多く、あまり個人で利用する価値はありません。しかし、オンショアの銀行や証券会社の多くは自国通貨建ての取引しか扱わないことが多いため、オンショアのFX会社は資金運用だけでなく両替と送金を兼ねた取引を行う上でも利用価値があります。ただし最初に述べた8つの条件をだいたい満足する立地や金融機関は限られ、やはり英語圏あるいは準英語圏の先進国である米国、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、オランダ、デンマークなどの一部の外国為替両替(FX)会社となります。
南極以外の地球上のすべての陸地や島は、どこかの国に属していますので、原則としてそれぞれの国の税制や法規制の適用を受けます。ですが、その土地の歴史的な経緯や各国の政策上の経済特別区指定など、いろいろな理由によって、特定の場所だけに非常に緩い税制や法規制が設けられています。このような場所は、俗に租税回避地とかタックスヘイブンとか呼ばれています。そこに銀行や企業が本社を置いて事業を営めば、税制や事業上の様々なメリットを享受でき、お客さんにとって有利なサービスを提供できるわけです。このような緩い税制や法規制の場所は、一部の例外を除いて殆どが離れ小島のように人口が少ないので、地元の人たちを相手に商売をしても市場が小さすぎてうまみがありません。そこで、本拠地はタックスヘイブンに置きながら、世界中の個人客から広く預金を集めて資金運用しようとする事業がオフショア銀行です。世界が相手ですから、殆どの銀行が世界の主要通貨口座を扱っているのもメリットです。以下は世界でも代表的なタックスヘイブンの地です。
スイス(Switzerland):永世中立国として800年近い歴史を持つスイスは、平和と観光、時計の国というだけではなく、世界有数のプライベートバンキングの国であることを、皆さんもご存知でしょう。数百年に亘って世界中の富豪達の財産の金庫番として、安定した政治情勢、強い個人情報保護意識の下、安定した資産運用を行う銀行が多数存在する社会を維持してきました。スイス銀行と聞いただけで、憧れとともに大富豪にしか縁の無い銀行と感じる方も多いでしょう。しかし、近年のインターネットの発達によって、スイス銀行法の保護下にありながらも我々一般庶民が気軽に預金できるネット銀行などが登場してきています。また、他のオフショアとの競争を意識して、一般の銀行も預金者の敷居を下げているようです。スイスは、北海道を一回り小さくしたような面積に人口700万人余を擁する国です。北はドイツ、西はフランス、南はイタリア、東はリヒテンシュタインと国境を接し、ほとんどが急峻なヨーロッパアルプスに覆われたアルプと1500個近い湖のある美しい国。首都はベルン、政治体制は26の州が寄り集まった連邦民主制です。州は更にコミューンという3000近い自治体に分かれ、その中では直接民主制が行われているところも多いです。公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語ですが、英語もかなり通じます。スイスの正規銀行は、スイス銀行法に従ってスイス連邦銀行委員会(Swiss Federal Banking Commission)により業務認可を受けなければなりません。更に、スイスのほとんどの銀行はスイス銀行員協会(Swiss Bankers Association)に加盟しており、それが定める厳しい顧客情報の保護やガイドラインに沿った資産運用が義務付けられています。この協会に加盟していないスイスの銀行は、よほど特殊かもぐりの珍しい銀行でしょう。また加盟銀行は協会自主規制により、倒産などにおいても1名義人あたり最低3万スイスフラン(約240万円)までは預金保護を行う預金保険制度に入っています。更にスイス銀行法により、スイスの銀行は証券会社の機能も含み、かつ顧客資産と銀行資産が完全に分別管理されます。従って、銀行がたとえ破綻しても顧客の資産は無傷です。銀行の収益源は主に顧客資産管理や運用の手数料です。銀行経営監視が厳しいためこの分別管理体制は徹底しており、これまで倒産に至っても顧客の資産が一部でも戻らなかったという例はほとんどないようです。スイスでは、国内で運用される資金については、銀行利子や株式配当、債券分配益に対する法定税率は何と35%です。このため、スイスをオフショアではないという人が多いのももっともです。世界各国との租税条約によって、スイス国内で運用される資産についても所定書類を金融機関に提出すれば80%〜100%の税金還付がなされます。日本に対しては90%還付ですが、日本向けの書類は皆さんお住まいの日本の所管税務署長の認証が必要です。すべて英文ですし、慣れないと認証してもらえないかも知れません。ただしたとえスイスの銀行を通じても、スイス国外で運用される資金の銀行利子や株式配当、債券分配益は、上記所定書類を提出しなくても自動的に非課税になります。スイス銀行法によるマネーロンダリング対策として、1銀行あたり50万スイスフラン(約4000万円)以上を預金する名義人は、現地銀行に出向いて面接を受けなければなりません。しかし、それ以下の預金額であればその必要はなく、海外からでも口座を開けます。また、法律で顧客口座内容の情報保護が定められており、それに違反すると行員でも禁固刑を含む重罪に問われます。ただし、スイスがあまりにもお金を世界から集めすぎたためか他の先進国から圧力を受け、かつてヒトラーにすら開示しなかった口座内容をテロや組織犯罪に関係すると見なされる場合には開示するようになってきました。もっとも、50万スイスフラン以下の小口の市民預金者の口座情報が開示されることは少ないでしょう。
ルクセンブルグ(Luxembourg):ルクセンブルグは人口約42万人、東はドイツ、西はベルギー、南はフランスと国境を接し、ベネルックス三国の中では一番小さい面積が東京都程度の都市国家です。立憲君主制で一院制議会を持ちます。公用語はルクセンブルグ語、ドイツ語、フランス語ですが、多くの人が英語を理解し話します。会計年度1年間のうち6ヶ月未満の滞在者は非居住者とみなされます。非居住者は金融資産に関しては、ルクセンブルグ内でのビジネスや投資活動に関するものではない限り、預金利子、債券や投資信託の分配金、株式配当及び債券や投資信託、株式の譲渡益(キャピタルゲイン)は非課税です。これはスイスと似てますね。ルクセンブルグの銀行や投資会社での金融資産運用は、ほとんどがルクセンブルグ以外で行われているので非課税になります。ただし、ルクセンブルク以外で収益を挙げた会社でも、ルクセンブルグ籍の会社で自分の株式所有比率が7%以上の会社や、その家族の株式所有比率が合計で33%以上の会社の株式譲渡益には課税されます。また、不動産を所有している場合にも、その譲渡益には課税されます。まあ、この辺は一般の日本人個人には関係ない課税です。ここにも世界の主要銀行のオフショア支社が存在します。ただし、その多くが欧州外の非居住者向けには、1000万円以上の預金を要求するプライベートバンキングしか提供していないようです。ルクセンブルクも銀行法により、スイスの銀行と同じく証券会社の機能も含み、かつ顧客資産と銀行資産が完全に分別管理されます。従って、銀行がたとえ破綻しても顧客の資産は無傷です。銀行の収益源は主に顧客資産管理や運用の手数料です。ルクセンブルグは、現状、スイスを基準として顧客情報を扱うことを明言しています。つまりスイス並みの個人情報保護下に置かれているわけです。
ベルギー(Belgium):ベルギーは人口約1000万人、面積は3万3千平方キロ足らずで日本の10分の1以下です。四国くらいの大きさでしょうか。北はオランダ、南はフランス、西は北海、東はドイツとルクセンブルクに接します。上院と下院の2院政を敷く立憲君主制の国です。公用語は、オランダ語、フランス語、ドイツ語で、首都はブリュッセルです。はっきりはしませんが、会計年度1年間のうち6ヶ月未満の滞在者は非居住者とみなされるようです。ベルギーの資産運用に関する資料は、こちらに公開されています。ベルギー居住者には、預金利子や株式配当、債券や投信の分配益などに源泉徴収課税があります。不動産収益に関する課税については25%が基本ですが、高齢者は20%、障害者は10%に減税されます。また、ベルギーの地区によって更に軽減税率が違いますし、更に扶養する子供の数によっても軽減税率が違います。株式配当に関しては基本は25%源泉課税ですが、1994年以降の公的、半公的発行体が発行した株式配当については15%の軽減税率が受けられます。債券の分配金については公的なものは免税ですが、私的な債券の分配金は株式同様25%課税です。ただし、株式分割や債券の口数分割などを経て支払われる配当や分配金には、10%への税率軽減が適用される場合があるようです。預金利子については基本は15%課税ですが、1名あたり1500ユーロまでの利子利益は非課税です。複数銀行や同じ銀行に複数口座を持っていても、銀行は名寄せして源泉徴収しませんから、現地の人でもトータル1500ユーロ以上の利子を得た場合は、自己申告しなくてはなりません。現状の利子ですと数万ユーロまでの預金は非課税になります。投信の分配金については、契約型でベルギー国内で支払われるものについては非課税のようです。このようにベルギーの国内向けの税制は、日本以上に複雑で世界に稀なほどです。ただし、非居住者についてはもっと単純ですが、スイスやルクセンブルク、他のオフショアほど単純ではありません。まず公的な債券・証券・株式及びそれらに投資する投信については現地非課税です。ですが、発行体によって現地非課税かどうは異なりますので、投資するときに目論見書などをよく読む必要があります。不動産関連やそれに投資する金融商品については、会社型投信には課税され契約型投信のみ非課税のようです。一般の銀行預金利子については、現地人と同様で、年間1名あたり1500ユーロまでの利子所得は非課税ですが、それ以上は課税されます。現地人と同じく複数銀行や同一銀行に複数口座を持っている場合は、自分で合算して税金申告する必要があるようです。これは非居住者にはややこしいですね。またベルギーの銀行制度はスイスやルクセンブルクとは違い、日本や米国、イギリス圏の銀行と同じく、預金は銀行にお金を貸すのと同じで、分別管理はなされません。その分、手数料などが安いのが魅力ですが、銀行が破綻すると預金が戻ってこない可能性があります。そのため、ベルギーには1名あたり20000ユーロまでの預金保険制度があります。これは非居住者にも適用されます。ただし、場合によっては現地で手続きが必要になる可能性もあるので、過度な期待は禁物と思います。やはり高格付けな銀行を選んだ利用を心がけるべきでしょう。ベルギーはルクセンブルク同様に、スイス並みの個人情報保護を宣言していますので、この点ではオフショア的なサービスと言えるでしょう。
マン島(Isle Of Man): イギリスとアイルランドの間のアイリッシュ海の真ん中にある島。ここは英国領です。ですが、他の英国植民地と同様に英国議会直属ではなく、独自の民主議会、裁判所、金融委員会を有します。首都はダグラス。言語は英語で、銀行ならもちろん英語が通じます。主要通貨はイギリスポンド。利子やキャピタルゲインなど、金融所得は非課税です。世界の主要銀行のオフショア支社が存在します。また、マン島にはタックスヘイブンの地には珍しく政府による預金保険制度があり、預金者1人につき預金額の75%、最高1万5千ポンド(約250万円)まで保護されます。
ガンジー島(Guernsey): イギリスとフランスを隔てるドーバー海峡よりもっと南、イギリス海峡と呼ばれる海域で、ほとんどフランスのノルマンディやブルターニュ地方の海岸に近い、数十キロ沖合いにあるチャネル諸島にある島。実はここは英国領です。マン島と同様に英国議会直属ではなく、独自の民主議会、裁判所、金融委員会を有します。首都はセント・ピーターポート。言語は英語、フランス語。銀行ならもちろん英語が通じます。主要通貨はイギリスポンド。利子やキャピタルゲインなど、金融所得は非課税です。ここも世界の主要銀行のオフショア支社が存在します。
ジャーシー島(Jersey): ガンジー島と同じく、イギリスとフランスを隔てるドーバー海峡よりもっと南、イギリス海峡と呼ばれる海域でほとんどフランスのノルマンディやブルターニュ地方の海岸に近い、数十キロ沖合いにあるチャネル諸島にある島。ここも英国領で、独自の民主議会、裁判所、政策委員会を有します。首都はセント・ヘリアー。ガンジー島と同じく、言語は英語、フランス語で、銀行ならもちろん英語が通じます。主要通貨はイギリスポンド。利子やキャピタルゲインなど、金融所得は非課税です。ここにも世界の主要銀行のオフショア支社が存在します。
はじめに述べた8つの条件のうち2、3、4は個別の銀行に依存しますが、西ヨーロッパのタックスヘイブンは5以降の条件を満たすところが多いです。特に5の個人情報保護に関しては折り紙つきのところが多いです。スイスの銀行がナチスのヒットラーにさえも、預金者の資産内容や運用内容を公開しなっかたことは有名です。当然明確な受け取り人以外には、絶対に預金内容を明かにしたり引き出させたりはしません。そのため、スイスの銀行にはナチスの犠牲になった相続人のはっきりしないユダヤ人の資産が、今でも数千億円眠っているとさえ言われていますが、誰も全貌を知りません。最近はテロなどの組織犯罪や麻薬関係の犯罪に関係する疑いがある資産に関しては、人道的見地から情報を出すようになりましたが、そんな余程のことでもない海外の政府関係機関にも個人情報は明かしません。この個人情報保護の点ではスイスがもっとも徹底していると言っていいでしょう。またルクセンブルグ、マン島、チャネル諸島も個人情報保護はしっかりしています。このような5以降の条件の良さが、西ヨーロッパのオフショア銀行の価値を高めている理由です。西ヨーロッパの主なタックスヘイブンには上記の他に、アイルランド、リヒテンシュタイン公国、ジブラルタル、モナコ公国、アンドーラ公国、カンピオーネ、マディラ諸島などが存在します。また、オーストリアも銀行の守秘義務が厳しく、非居住者は非課税なのでタックスヘイブンに準じます。この中で、アイルランド、リヒテンシュタイン公国、オーストリア、ジブラルタル、アンティル諸島はかなり英語が通じます。ただし、リヒテンシュタイン公国、オーストリアの銀行は大金持ち相手のプライベートバンキングが中心、アイルランドは金融よりも企業立地や投資のための税制優遇や規制緩和が中心で、リヒテンシュタイン公国も同様な政策を取っています。ジブラルタルは英国領で最近はオフショア金融機関も増えてきましたが、イギリスとスペインとの間で帰属問題を抱えており、はじめに述べた8つの条件のうち6に若干不安があります。アンティル諸島は直接の金融投資もできますが、オランダ本土の銀行を通じての運用が安心でしょう。また、その他の国や地域は基本的に非英語圏であり英語が通じない銀行があり、はじめに述べた8つの条件のうち特に1を欠いている場所が多いです。またカンピオーネなどは、そもそも十分な数のオフショア銀行が集積していません。
また、同じヨーロッパでもラトビアやユーゴスラビア領内の自治州モンテネグロなど、東ヨーロッパの新興オフショアは、英語が通じますがロシアマフィアなどを通じたマネーロンダリングの温床になっています。西ヨーロッパのオフショアとは全く別ものと考えた方がいいです。まだ、歴史も浅く最初の条件の4、5、6について非常に不安があります。
香港(Hong Kong): 日本人にはいわずと知れた大中国への玄関口、人口約7百万人の大都市。中華人民共和国に帰属するも、独自の議会、司法、金融制度、自治権を与えられ、税制や法規制面でも立派なタックスヘイブン。近年の中国の経済発展に伴い世界中から金融資本が押し寄せ、世界的な金融センターの1つとなりました。言語は英語と広東語。銀行ではもちろん英語が通じます。流通通貨は香港ドルですが、現状は米ドルにペッグ(固定)されているので、実質米ドルと見なせる点が特徴。利子は非課税でキャピタルゲインも非常に低税率です。また、香港ドルと他通貨の両替時手数料が小さいこと、日本から円送金が容易なことなどから、香港をゲートウェイとして他の国や地域に送金するのにも向いています。更に近い将来、大陸中国の元通貨での預金も認められそうな動きがあります。香港政庁は、預金者1人あたり10万HKドルまでを保護する預金保険制度最(DIS: Deposit Insurance Scheme)の導入を提言しました。いつどのような形で実現するかなどまだ不明確な点は多いですが、注目すべき動きです。また香港は8つの条件のうち、個別金融機関できまる2、3、4を除いて、1、7、8には当てはまります。また、1については日本語がある程度通用することも魅力です。しかし、5、6については十分注意する必要があります。中には金融機関内の個人資産やその運用状況、個人属性などの情報が売買される場合があり、他組織や海外政府機関に漏洩することもあります。更に中国本国の社会的安定性や政策が、香港の政情や社会情勢を急変させることも有り得ます。
シンガポール:面積が東京23区とほぼ同じ程度の美しい街並みで有名な、人口400万人強の都市国家です。普通選挙による大統領制と一院制の議員内閣制を取っていますが、事実上、与党人民行動党(PAP)の一党支配が続いています。現状の政情は非常に安定しています。国内向けには所得税や法人税もあり完全なオフショアとは言い難いですが、非居住者向けの預金利子、配当、譲渡益などはすべて非課税であることと、自国の金融市場が狭いため非居住者向けの多通貨金融サービスが発達していることから、オフショアに分類しました。シンガポールははじめに述べた8つの条件のうち、個別金融機関できまる2、3、4を除いて、1、7、8には当てはまります。また、1については香港ほどではないにせよ日本語がある程度通用することも魅力です。6についても香港よりは問題が少ないですが、5の個人情報保護については政府の介入が強く十分注意する必要があります。やはり理想のオフショアとは言い難いでしょう。
バヌアツ(Vanuatu):西太平洋上南半球熱帯の83の島々からなり、総面積は日本の大きめの県くらいの大きさの独立国家です。人口は約20万人。永らく英仏の共同統治領でしたが1980年7月30日に独立。首都はポートヴィラ。現在は普通選挙で選ばれる一院制の国会と6つの地方議会からなる分権制を敷き、大統領は国会議員と地方議会代表によって選出されています。オーストラリアやニュージーランドのしっかりた銀行の中には、バヌアツでオフショアサービスを行っているところがあります。この場合、最初に述べた条件の4はクリアできます。またバヌアツは政情も比較的安定しており、条件6(カントリーリスク)もほぼクリアできます。ただし近年、先進国の圧力を受け口座情報を開示する方向にあります。バヌアツでは、所得税、法人税、不動産税、相続税、贈与税、譲渡益(キャピタルゲイン)税はありません。また、その他の税については他国と2重課税にならない措置が取られています。
サモア(Samoa):西太平洋上南半球熱帯あり、大きくは東のウポル島と西のサバイイ島、そして周囲の小島からなり、総面積は日本の東京都くらいの大きさの独立国家です。リゾートスポットとしても有名です。人口は約18万人。ポリネシア国家としては20世紀に最も早く独立した国家で、1962年にニュージーランドから独立しました。1997年までは西サモアと呼ばれていましたが、現在の正式名はサモアです。首都はウポル島のアピアです。現在は普通選挙で選ばれる一院制の議会と大統領制を敷いています。議会は人権保護党とサモア国家開発党の2大政党制です。40年近く安定した政情が続いています。隣にはあ米国領サモアがありますのが、そちらはタックスヘイブンではないので、お間違いのないようお気をつけください。税制は印紙税を含め非居住者向けの金融関係、法人関係の税金はすべて免除されます。ここのバヌアツとほぼ同じく、オーストラリアやニュージーランドのしっかりた銀行の中にはオフショアサービスを行っているところがあります。この場合、最初に述べた条件の4はクリアできます。また政情も比較的安定しており、条件6(カントリーリスク)もほぼクリアできます。ただし近年、先進国の圧力を受けて口座情報を開示する方向にあります。
その他にも、パラオ、クック諸島、ナウル共和国、ラブアン島、トラック諸島、マ−シャル諸島など、南太平洋を中心に、多くのタックスヘイブンがあります。これらの多くは初に述べた条件の4、5、6の点で問題の多い地域があります。バヌアツ、サモアも含めタックスヘイブンとしてはまだ新しいところが多いため、かなり低額預金から受け入れる銀行が多く、銀行を吟味して選べばいい資産運用が可能でしょう。
米国のデラウエア州、ネバダ州、米国周辺のケイマン島、アメリカ領バージン諸島、オランダ領アンティル諸島、パナマ、バハマ諸島、ベリーズ、バルバトス、アルバ島、アングイラ島、アンティグア島、カイコス島など、米国地域にも多くのタックスヘイブンがあり、これらの中には英語圏の場所が多いです。しかし米国のデラウエア州、ネバダ州は、主に会社設立において税制や法規制の面で利点がある場所で、個人で海外口座を開く人にはあまり関係ありません。ケイマン島、アメリカ領バージン諸島、パナマなどは、金融機関によっては最初に述べた条件の4、5の点で信用の置けるところがありますし、条件の6(カントリーリスク)の点でも現状は比較的安定しています。その他アメリカ周辺のタックスヘイブンも4、5の点ですべてダメというわけではありませんが、条件の6の点であまり安定しない国や地域が混じっています。従って、これらの地域の金融機関を利用する場合は慎重な調査が必要です。他にも、地中海・中近東地域には、マルタ島、キプロス島、ドバイ、バーレーンなどのタックスヘイブンがあり、大西洋、インド洋、中南米を始めとする広範な地域に、バミューダ諸島、モーリシャス、ウルグアイなどのタックスヘイブンがあります。これらの中にも個人の金融資産運用先としていいところがありますが、英語があまり通じなかったり、最初の条件の4、5、6で問題のある国や地域も多いです。以下には、もっとも4、5、6の点で安心度が高いケイマン島を紹介しておきます。
ケイマン島:中米の離島に数あるオフショアの中でもケイマン島は、条件の6(カントリーリスク)の点でも安定しており、そのせいもあって最初に述べた条件の4、5の点で信用の置ける金融機関が比較的多く集積しています。西大西洋上、マイアミから南に約700km、キューバよりも更に200km以上南の熱帯にあります。グランドケイマン、ケイマンブラク、リトルケイマンの3つの島からなります。グランドケイマンが中心ですが、その大きさは100平方キロに満たず、日本の中規模の市や町程度の面積しかありません。その殆どが熱帯雨林です。歴史的には永らくイギリスの植民地であり、現在も英国王室から派遣された総督が治めています。ただし1972年に現在の憲法が制定され、普通選挙で選ばれる立法議会があり、その議員から総督を取り巻く大臣が選ばれるという、半ば議員内閣制を取っています。人口は約4万人です。税制は非居住者向けの金融関係、法人関係の税金は免除されますが、現地法人などには印紙税がかかる場合があります。ただし近年、先進国の圧力を受けて口座情報を開示する方向にあります。
以上をまとめると、我々一般の日本人が安心して利用できるオフショア銀行が立地するタックスヘイブンは、言語や主要流通通貨、入手可能な情報量の多さのことも考えると、ヨーロッパのスイス、ルクセンブルクがベスト、次にマン島、ガンジー島、ジャーシー島あたりということになるでしょう。ただし、それ以外のヨーロッパのタックスヘイブンにある銀行でも、あなたがドイツ語やフランス語に堪能だったり、たまたま英語が通じる銀行やその担当者が見つかれば、大いに利用価値はあるでしょう。何と言ってもヨーロッパのオフショア銀行は、条件5、6が取り柄です。また、東アジアの香港やシンガポールは出向くにも距離的に近く便利ですし、英語が通じますし、香港は隆盛を極める中国の投資の玄関口ですから、中国や東アジアの政情や社会情勢、金融情勢を常に見極めながら利用するには、よいタックスヘイブンといえるでしょう。ただし、条件5、6には十分注意を払わなくてはなりません。またその他のタックスヘイブンやそこの立地の銀行も全部だめなのではなくて、中には非常によいサービスと信用を提供しているところもあります。特に太平洋地域では政情が比較的安定し、オーストラリアやニュージランドの高格付け銀行がオフショアサービスを展開している国や地域があります。これらのタックスヘイブンも日本から比較的近いですし、一般の人にも利用価値があると思います。またこれら以外でも海外投資の上級者であれば、地域や金融機関について情報を収集し、日本からは殆ど注目されておらず、かつ極めて安定で信頼性に富む穴場を見つけることも可能でしょう。ただし繰り返しますが、欧州のスイスはナチスのヒットラーさえ手をつけられなかったことからも分かるように、安定で信頼性があります。この自治の歴史は数百年を超えるものであり、幾多の歴史の荒波にも耐えて欧州の資産家達の財産と個人情報を守り続けてきた実績があります。オフショア銀行を選ぶ際には銀行の格付けのみならず、その立地場所のこれまでの実績を軽視するわけにはいきません。
よほど貨幣経済が浸透していない最貧国以外、世界中殆どの国には国内の庶民向け銀行が存在します。ただし、各国の経済状態や外資流入規制、税制、法規制、銀行の競争環境、サービス体制、信頼度などの面で、われわれ日本人がわざわざ銀行口座を持つメリットのある国は限られます。昨今、東南アジアのマレーシアやフィリピンなどには、経済と政情の安定に伴って、銀行口座を開いて規定以上の預金をすることで永住権を取得し、老後を過ごす日本人もいるようです。これは今後の可能性として注視していくべきことでしょう。ですが、僅か数年前にアジア金融危機が起こったばかりであることや、個人情報保護や社会の安定性、通貨の流通性、両替規制などを考えれば、日本に居ながらにして銀行にお金を預けておく対象国としては、まだまだ未成熟な面も否めません。やはりオンショア銀行として安心して選択できる国となると、現状では英語圏の先進国である米国、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ及び準英語圏のオランダ、デンマークなどの一部の国内銀行となります。これらの国は最初に述べた8つの条件の内、個別銀行に依存する2、3、4を除けば、1、5、6をだいたい満足します。また米国、英国には、自国以外の非居住者には大幅な税金還付による実質免税があり、我々とって条件8も満足します。また、英国は国内向け銀行としてはポンドとせいぜいユーロしか扱いませんが、周辺のオフショア支社と連携して多通貨口座サービスを行っているところが多いです。オランダやデンマークも自国内市場が小さいのとため世界から資金を取り込む必要があり、オランダではオランダ領のタックスヘイブンであるアンティル諸島の支社と連携して多通貨口座を扱う銀行が多いですし、その場合は殆どの金融資産に関する利益は非課税になります。従って、英国やオランダの銀行ではオンショア銀行とはいいながらも、非居住者にとってはオフショア並のサービスを得ることができます。また、最近はイギリスやオランダ自体、法人税などを下げてきており、法人投資や会社設立などにとっては、限りなくタックスヘイブンに近づいてきています。ただし、これらの国々のすべての銀行が自国居住者以外の人々に口座開設を許しているわけではなく、逆に非居住者向けの口座開設サービスを提供している銀行は極めて限られます。特に米国では2001年9月11日のニューヨークテロ事件以降、国際テロ・犯罪組織のマネーロンダリング防止の観点から、非居住者向けの口座開設審査は厳しさを増しています。
オフショア銀行のところで申し上げたように、歴史的な経緯や各国の政策上の経済特別区指定など、いろいろな理由から特定の場所だけに非常に緩い税制や法規制が設けられています。このような租税回避地とかタックスヘイブンには、当然銀行だけではなく証券会社も多く存在するところがあります。そこ本社を置いて事業を営めば、税制や事業上の様々なメリットを享受でき、お客さんにとって有利なサービスを提供できるわけです。オフショア証券会社もオフショア銀行同様、地元の人たちを相手に商売をしても市場が小さすぎてうまみがありません。そこで、本拠地はタックスヘイブンに置きながら、世界中の個人客から広く資金を集めて資金運用します。世界が相手ですからオフショア銀行同様、多くのオフショア証券会社が主要通貨での取引を扱っています。そして、そこから安い手数料で世界の多くの株式や債券市場に投資したり、投資信託を売買できるわけです。ただし、各オフショア地域の政策方針の違いにより、ヨーロッパでも英国領内のマン島やガンジー島、ジャーシー島には、あまり証券会社は集積していません。これらの地域では銀行自身が投資信託を販売したり、投資専門会社が設立されて投資信託の運用などに当たっています。これに対して、ヨーロッパ大陸の代表的タックスヘイブンであるルクセンブルクにはオフショア証券会社が見られ、また東アジアの代表的タックスヘイブンである香港には、香港自体に大きな証券市場があるため多数のオフショア証券会社が集積しています。また、米国系や英国系の証券会社の中には、ケイマン島など中米地域の離島に支社を置くものもあります。ただし、銀行の場合はたとえオフショア銀行であっても決済機能を担っていますので、それ破綻すれば金融決済の信用喪失など社会的影響が大きいため、政府や国際金融支援組織が極力バックアップします。しかし証券会社は本来他人名義の資金の売買の取次ぎをするのが役割であり、現金預かり口座は補完的なものに過ぎません。ですから破綻しても金融決済秩序に与える影響が小さいと見なされ、政府や国際金融の支援があまり期待できない点には留意すべきです。証券会社を通して国債などの安定した債権を保有したり、株や投資信託の知識が十分あってリスク覚悟でそれらに投資する証券会社本来の使い方をする分には問題ないですが、証券会社口座を銀行口座と同じように見なして使うのは、危機管理の点からあまりお勧めできるものではありません。このような違いを十分理解して使いこなしましょう。
また香港には香港証券及先物事務監察委員会(SFC: Hong Kong Securities and Future Comission)があり、香港の証券会社の免許登録や経営、取引の監視を行っています。更に、香港証券取引会社(SEHK: Stodk Exchange of Hong Kong Limited)への加盟が推奨されており、その加盟証券会社には証券会社信用保険(BFI: Broker's Fidelity Insurance)に加入することが義務付けられています。香港の証券会社の場合は、顧客資産と会社資産の分別管理がまだ徹底されていないところもあり、SEHK加盟証券会社の万が一の倒産や廃業の場合による顧客の証券口座の預かり現金や一般株式投資や投資信託に関する証券の損失については、最低で16000HKドルの払い戻しが保障されています。また、現状の保険積み立て金額から見て1社程度の破綻であれば、これに更に最高30000HKドルが上乗せされた合計46000HKドルの払い戻しを受けれられます。ただし、顧客の多い大手の破綻や何社も同時に破綻するような場合には、上乗せ分は顧客人数の頭割りになりますので、16000〜46000HKドルの間が保障額だと思っていいでしょう。また、SEHK加盟は強制ではないので、現在香港にはSEHK加盟の証券会社は約500社、非加盟が200社あります。更に、先物取引や信用取引を行う会社は、香港先物取引会社(HKFE:Hong Kong Futures Exchange Limited)に加盟することが推奨されています。ただし、先物取引や信用取引に関する資産には保険適用はありません。従って、証券口座や一般株式投資、投資信託を行う場合の保障限度額がかなり低いことを念頭におき、自己責任をもつことが必要です。上記の詳細は、香港証券先物取引委員会(SFC)のこちらの資料に掲載されています。また米国や欧州、日本では保管振替制度があります。例えば日本の場合には、証券会社が株主(投資家)の同意を得て、預った株券を財団法人証券保管振替機構に機構名義で預託することにより、株券を自分の名義に書き換えることなく株主となり、またその後の売買においても株券の受渡しをすることなく、機構と証券会社の口座上で決済する制度が使用できます。日本のまともな証券会社はこの制度を利用し、顧客が特に自分名義にしたいと言わない限り、保護預りとして顧客資産と会社資産の分別管理を徹底しています。香港にも同様な保管振替制度があり、香港中央決済システム機構(CCASS: Central Clearing Settlement System Depository)にHong Kong Securities Clearing Company Nominees Limitedの名義で登録保管され分別管理されています。この点は日本でも有名な国際決済銀行(BIS: Bank for Internatinal Settlements)の文献に明示されています。香港でもまともな証券会社は、すべてこのシステムを用いています。
このように証券会社信用保険(BFI)を伴う香港証券取引会社(SEHK)への加盟は強制ではないこと、中央振替決済保管機構(CCASS)の利用は義務だが中にはもぐりの悪質業者がないとも限らないことを考慮し、自分が利用する証券会社がSEHKに加盟しているか、CCASSを利用しているかを、必ず確認すべきです。そうすることでその証券会社の信用を確認でき、自分の資産を守ることにもなります。この2点は自己責任で必ず口座開設申込み書の条件事項で確認し、不明確な場合には直接確認しましょう。また、何れにせよ先に述べたように香港の証券会社は個人情報保護管理の面で甘い面があるので、ヨーロッパなどとは違い自分の資産状況が外部に筒抜けになるリスクがあることは考慮すべきです。こう見てくると、わざわざ香港の証券会社を利用するメリットが大きいのは、日本や欧米では買えないアジア系の市場や投資信託を対象とした資産運用を行う場合ということになります。アジア市場は高成長なところが多いのでその分魅力的ですが、その代わり国や社会の不安定性に加えて、証券会社のリスクもあるわけです。
世界中に株式や債権の市場があり、世界中の人々が株や債権、投資信託の売買を行う限り、国内向け銀行と同じように世界中の殆どの国々に国内向け証券会社があります。しかも米国や欧州、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなど、市場が発達し海外からの投資を自由に受け入れている国々では、国内向けのオンショア証券会社であっても、世界中から資金を集めるために非居住者の口座開設を受け入れています。証券会社の多くは、売買の途中で現金を寝かせるための証券口座を提供しています。日本の国内向け証券会社ならMRFなどです資金を寝かせますが、海外では銀行口座と同様に現金そのものを預かる口座サービスがあり、中には銀行顔負けの金利や低い手数料サービス、小切手帳の発行を提供する会社もあります。さすがに最近は日本の証券会社でも、MRF口座にクレジットカードを付ける銀行並みのサービスが登場してきています。これらの先進国では日本以上か最低でも日本並に、顧客資産分別管理とための保管振替制度が発達しています。また証券投資家保護保険制度も発達しており、証券口座内の現金や証券会社の預かり資産に対してある程度の払い戻し保険がかけられています。ただし、日本の証券投資化保護保険制度である投資家保護基金は、大手証券が1つ潰れれば資金が底を尽く程度の備えしかありません。そのためもあって、日本の証券会社は現金預かりの証券口座の代わりに、高格付けのMRFなどの債券投資信託で預かることでリスクを抑えています。でもそうはいっても所詮は債券運用です。安全と思われていたMMFが元本割れした証券会社が続出したのは、記憶に新しいところです。また、オフショア証券会社の説明のところで述べたように、銀行が破綻すると金融決済の信用喪失など社会的影響が大きいため、政府や国際金融支援組織が極力バックアップします。しかし証券会社は本来他人名義の資金の売買の取次ぎをするのが役割であり、現金預かり口座は補完的なものに過ぎません。ですから破綻しても金融決済秩序に与える影響が小さいと見なされ、政府や国際金融の支援があまり期待できない点には留意すべきです。証券会社を通して国債などの安定した債権を保有したり、株や投資信託の知識が十分あってリスク覚悟でそれらに投資する証券会社本来の使い方をする分には問題ないですが、証券会社口座を銀行口座と同じように見なして使うのは、危機管理の点からあまりお勧めできるものではありません。このような違いを十分理解して使いこなしましょう。その上で投資手段としてオンショア証券会社を取り上げるならば、世界一ネットトレーディングが発達している米国の証券会社が圧倒的シェアを維持しており、非居住者であっても不便なく簡単に口座を開設し売買を行うことができます。
外国為替(foreigen exchange)の英文省略名称をForexと呼び、更にそれを省略してFXと呼びます。そのための外国為替両替金融機関のことをFX会社と呼びます。FXにはいく通りものサービスがあり、会社によってそのうちの幾つかをサービスしています。一番単純なのは、ある通貨からある別通貨への両替サービスです。ここで紹介するFX会社は街角の両替商と違い、どれもインターバンクレートという実勢レートに近い良いレートで両替してくれる金融機関です。これにも口座を設けず、都度現金を持ちこむと現金に両替してくれたり、電信その他の手段で先方会社指定の口座に送金して更に指定した自分が指定する別口座に送金してくれるサービスがあります。このような会社の場合は海外口座とはいえませんが、一方で予め登録して自分の口座をつくった上で上記にようなサービスを受ける会社もあります。また口座を作る形式のFX会社の場合には、両替レートの指値と両替期間を指定して、指定期限までにあるレートに達したら自動的に両替を実行してくれるところもあります。ここでは両者をまとめて紹介することにします。また単なる両替ではなく、為替証拠金取引(マージンFX)といって10万円程度の小額の保証金を預けて、その10倍とか100倍とかのお金をFX会社から借りて為替相場の変動によって為替差益を得ることを狙うサービスも手がけている会社があります。10倍借りて取引して1%為替相場が上がると保証金に対して10%の差益が得られます。また預けた期間中の利子も10倍になります。100倍の倍率でやれば100%の差益になり元で資金は2倍と100倍の利子になります。でも逆に1%の為替相場下落で100%損します。このように為替証拠金取引は倍率によっては非常にハイリスクな資金運用になります。本サイトはこのようなハイリスクな取引をお勧めするものではありませんが、倍率は自分で決められるので1倍で運用すれば通常の外国為替両替と変わらなくなります。このような会社は日本国内にも沢山ありますが、最低取引金額が100万円〜1000万円程度と大きいのと、直接海外受送金できず日本国内銀行の外貨預金口座を経由しないといけないので、使い勝手が悪く手間も手数料もかさみます。しかし海外のオンショアFX会社の中には証券会社と同じく、直接海外と受送金できるところがあり、また最低取引額が柔軟なところも多いです。このように海外のFX会社の中には、両替と送金のハブや資金運用のための柔軟な機能を備えているところがあり、利用価値があります。特にオーストラリアドルやニュージランドドル、東南アジア通貨、日本では扱いのない中国元などマイナーな通貨でも実勢相場で両替できる場合が多く、両替と送金に限っても使用メリットがあります。ただし、国・地域や会社によっては、会社と顧客の資産の分別管理が徹底していないところもあるため、証券会社同様、分別管理がしっかりしているかどうか確認する必要があります。最初に述べた8つの条件をだいたい満足する立地や金融機関は限られ、やはり英語圏あるいは準英語圏の先進国である米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、オランダ、デンマークなどの一部の外国為替両替(FX)会社となります。
証券会社口座を別にして、オフショア銀行にせよ、国内向けのオンショア銀行にせよ、各銀行はその会社名称以外に、世界や各国毎に共通した簡略書式のコードネームをもっています。これは電信送金などを行う場合に、間違いなくしかも簡便に相手銀行を指定するためです。もともとは各国独自に国内のコードネーム書式を決めていたのですが、それでは国際送金に不便なので国際業務を行う銀行には世界共通書式に従ったコードネームが決められるようになっています。以下、世界共通のコードと米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、日本のコードについて説明します。これらのコードは銀行間送金を行う場合に必要な大切なものです。もっとも相手の銀行名さえ分かれば、送金を依頼する銀行で送金相手銀行のコードを調べてくれることも多いです。ですが確実に送金するには、送金先銀行にコードネームを聞いて送金依頼銀行に伝えるべきです。
世界共通の大文字8桁のアルファベットからなるコードネームです。例えば英国領ジャーシー島のHSBC Bnak Internatinal Limited銀行ならMIDLJESHです。系列子会社銀行などでこれに更に3桁の枝コードが続いて付き、合計11桁にある場合もります。同じ銀行でも支店によってコードが違う場合もありますので、気をつけないといけません。。国際間送金には通常このコードを送金先銀行(支店)コードとして指定して、送金元銀行に送金依頼しなければなりません。なお、世界各国の金融機関のSWIFT CodeをSWIFT社のホームページから検索できます。企業名やその本社所在の国や都市名、支店名などからSWIFT Codeを検索したり、逆にSWIFT Codeから銀行名を検索でき便利です。
これは米国で世界的な決済や手形交換を行っているCHIPS社が発行している登録番号です。経済のグローバル化に伴い、銀行を介さずに企業間で直接国際的な決済を行う場合が増えてきました。そのため、CHIPSへの登録会社は大手銀行に限らず、中小銀行や保険会社、クレジットカード会社、電話会社なども含まれています。ただし、SWIFT Codeを持つ銀行がすべてCHIPS UID No.を持つわけではなく、逆にCHIPS UID No.を持つ企業がすべてSWIFT Codeを持つわけでもありません。CHIPS UID No.は至ってシンプルで6桁の数字からなります。例えばCITIBank, N.A., Japanは035157、UFJ銀行は024153という具合です。ただし東京三菱銀行は現状では登録番号がないようです。最近では国際電信送金などに、CHIPS UID No.を指定することも増えてきました。各種企業のCHIPS UID No.やその登録企業内の銀行のSWIFT CodeはCHIPS社のホームページから検索できます。企業名やその本社所在の国や都市名からCHIPS UID No.とSWIFT Codeを検索したり、逆にCHIPS UID No.やSWIFT Codeから企業名や銀行名を検索でき便利です。
米国内銀行の連続した9桁の数字からなる番号です。例えば、Chase Manhattan Bank, New Yorkの場合は021000021です。国際業務を行っている米国内銀行宛て送金の場合は、当然そのSWIFTコードを指定して送金するのですが、米ドルでの送金の場合は、日本からならABAコードを指定しても送金できます。掲示板から投稿いただいた情報ですが、米国内の各金融機関本店のABA (Fed Wire) Numberは、WESTERN PAYMENTS ALLIANCE社のABA (Fed Wire) Number一覧PDFファイルで知ることができます。また、より詳細な各支店のABA(Fed Wire) Numberは、連邦準備銀行のサイトから検索できます。
ABA (Fed Wire) Numberは米国の電信送金のための銀行コードですが、電子小切手決済が発達した米国では、手数料無料で電子的に小切手送金が可能のです。その際にFed ACH Numberが要求される場合があります。詳細な各支店のFed ACH Numberは、連邦準備銀行のサイトから検索できます。
これは欧州通貨統合によって、近年新しく導入されつつあるコードです。15〜34桁のコードで銀行コードばかりでなく口座番号そのものも含みます。桁数に大幅な開きがあるのは、まだ各国の銀行コードシステムをすぐにはそろえられないためでしょう。ユーロをEU加盟国の銀行に送る場合に必要とされるようですが、まだ十分には定着しておらずSWIFコードと銀行名、支店名、口座番号の指定でも送金できるようです。
オフショア、オンショアを含め、英国領銀行のイギリスポンド口座へ送金する場合には送金先銀行のSWIFT CodeとSort Codeの両方を指定する必要があります。これは2桁の銀行コードと4桁の支店コードからなり、同じ銀行でも支店によってSort Codeは異なります。Sort Codeは2桁ずつハイフンで区切られた合計6桁の数字で、例えば40-61-62のようになります。その他の通貨口座への送金には、通常コルレス銀行と呼ばれる銀行を通るので、SWIFT Codeだけを指定しても大丈夫です。
オーストラリアの国内銀行は3桁の銀行コードと3桁の支店コードがハイフンで区切られた、合計6桁の番号を持ちます。これをオーストラリアのBSB Numberといいます。一方、ニュージーランドの国内銀行は2桁の銀行コードと4桁の支店コードをハイフンで結んだ合計6桁の番号を持ちます。これをニュージーランドのBSB Numberといいます。英国の場合と同様に、オーストラリアの場合にオーストラリアドルで送金する場合には、SWIFT CodeとオーストラリアのBSB Numberの両方を指定した方がいいでしょう。同じくニュージーランドの場合にニュージーランドドルで送金する場合には、SWIFT CodeとニュージーランドのBSB Numberの両方を指定した方がいいでしょう。
カナダの銀行に送金する場合、先方からカナダ国内の銀行及び支店番号の指定を要求されることがあります。これをTRANSIT Numberといいます。これは他と逆順で5桁の支店番号と3桁の銀行番号の順にハイフンで結んだものです。
スイスの銀行に送金する場合も、先方からスイス国内の銀行番号の指定を要求されることがあります。これをClearing Numberといいます。これは5桁の番号からなります。掲示版にClearing Numberの検索ホームページと一覧データダウンロードホームページの情報を投稿いただきました。ダウンロードのデータには各銀行のSWIFT Codeデータも含まれています。スイスの銀行とのやり取りにとても役立ちます。
海外から日本の銀行に送金する場合は、それが円送金でも外貨送金でも通常は送金先の日本の銀行のSWIFT Codeを指定すれば大丈夫です。ただし参考までに書いておきますと、皆さんもなんとなくご存知だと思いますが、日本の番号は4桁の銀行番号と3桁の支店番号をハイフンで結んだ7桁の数字からなります。4桁の銀行番号の方は、例えば日本銀行は0000、東京三菱銀行は0005です。皆さんがお持ちの銀行キャッシュカードには銀行によっては、銀行番号-支店番号の順に書いてある場合があります。日本の銀行及び支店番号の検索はこちらのページで可能です。
ジョイントアカウント(共有名義口座)とインディビジュアルアカウント(単独個人名義口座)
口座の個人認証を登録印鑑によって行う日本の銀行や証券会社では、例え資産の名義人が亡くなっても家庭裁判所などが認めた遺言や相続人が名義人の登録印鑑を持参すれば、預金や証券を引き出したり口座解約ができます。しかし、本人サイン認証が基本の欧米銀行では、口座名義人が亡くなった場合、たとえ遺言や法定による相続人であっても、弁護士や公証人により相続資格者である旨を認証してもらわないと、簡単には預金引き出しや口座解約に応じてもらえません。このため欧米や香港の銀行、証券会社では、オフショア、オンショアの銀行、証券会社にかかわらず、夫婦や親子の間で口座を共有名義にすることが一般的です。遠い海外口座の場合、単独個人名義だと相続資格者の証明に多くの労力と費用がかかります。ですから、海外に口座を持つ場合には、できるだけジョイントアカウントにしておくことをお勧めします。ただし、相手国の法律や金融機関との契約上、例え共有名義でも名義人の一人が死亡した場合には、他の名義人の資産相続の正当性を証明しないと口座操作ができなるなる場合もありますので、十分確認しておくことが必要です。銀行や証券会社によっては単独個人でも共有名義でも、他に口座操作権利を持つ代理人を立たり、相続人遺言指定が可能なところもあります。もっともネットバンキングやネットトレードの場合には操作している人の顔が銀行や証券会社には見えませんから、万が一を考えてパスワードを信用の置ける人に告げておくという手もありますが、これは厳密には違法ですし、口座を閉じる場合には名義人サインの入った解約届の提出が必要な場合もあり、後々やはり面倒です。もちろん、夫婦で共有名義にする場合には、日ごろから夫婦仲むつまじくしておくことが別の意味のトラブルを避ける上で大切です。それが難しい場合や独身の方の場合は、親子で共有名義にしておくといいでしょう。ただし子供の場合、14歳以上とか18歳以上とか国・地域や銀行によって名義人に年齢制限があるのが一般的ですから注意が必要です。要はサイン社会では、一人前にサインが書ける年齢にならないと口座は持てないことが多いということです。お子さんが小さい場合には、申込書に記入欄がない場合でも相続人遺言登録を金融機関に別途相談した方がトラブルが少ないでしょう。
日本で当座預金口座といえば、企業が資金決済のために使う無利子の口座です。個人が小切手を使う習慣のない日本では、チェッキングアカウントは我々には縁遠い存在です。しかし欧米や香港などでは、銀行にチェッキングアカウントなしで生活しようとすると多くの不便を強いられます。多くの場合、デビットカードやクレジットカードはチェッキングアカウントにしか付きません。これらのカードは決済用ですからチェッキングアカウントを使うのが当たり前だという考え方でしょう。日本のように普通預金口座にデビットカードやクレジットカードが付く国の方がだいぶ珍しいです。ただし、すべてのチェッキングアカウントが無利子だというわけではなく、最低預金額や口座維持手数料が科せられるチッキングアカウントの場合には、若干の利子をつける優遇サービスもあります。また米国の証券会社口座は、小切手が切れるものが多く更に若干の利子が付く場合もあり、利付きチェッキングアカウントの一種と見なすことができます。
こちらは預け入れ利子の付く出し入れ自由の口座です。デビットカードやクレジットカードは付かなくても、ATMカードは付く場合が多いようです。こちらにも最低預金額や口座維持手数料が科せられるタイプがあり、その分金利を上乗せしてくれたり、各種手数料を免除ないし値引きしてくれるなどの特典が付くものもあります。また、オーバードラフトプロテクションといって、自分のチェッキングアカウントのお金を小切手やカード払いで使い込み過ぎてうっかり残高がマイナスになってしまったような場合には、セービングアカウントの残高で自動的にチェッキングアカウントの不足分を穴埋めしてくれるようなサービスもあります。従って、日常生活で小切手やカードを使うことが多いオンショアの国内向け銀行の場合には、チェッキングアカウントとセービングアカウントをセットで持つ人が多いのです。
Certificate of Deposit (CD) アカウントあるいはFixed Time (FT) アカウントと呼ばれることもあります。これはいわゆる定期預金です。もちろん、利子はチェッキングやセービングよりも高い場合が殆どです。海外の銀行では日本と違い、よほどのことがない限り、定期預金の中途解約には手数料が取られるか応じてくれない場合が殆どです。そこはやはり契約社会です。預けるなら覚悟して預けましょう。
上記3つは大抵のオンショア銀行にある口座の種類ですが、オフショアの銀行や証券会社、オンショアでも小口顧客サービスに力を入れている銀行では、他にもいろんな種類の口座があります。インスタントアクセスアカウントといって日本の普通預金口座のようにいつでも出し入れ自由で利子がついて、しかも小切手やカード決済ができるものや、30日前通知口座のように、1月前に解約や引き出しを指示すれば引き出しができる普通預金と定期預金のあいの子のような口座もあります。また、特にオフショア銀行の場合には複数種類の通貨をバスケットのように詰め込んで預けられる口座もあります。そういえば、日本のシティバンクのマルチカレンシー口座もこれに相当しますね。また、同じくオフショアの香港の証券会社口座の場合にも、複数種類の通貨を預けられその間で両替もできるものが多いです。それ以外にも特に世界を相手に資金集めをするオフショアの銀行や証券会社には、いろいろと工夫を凝らした口座があるようです。
一部のオフショアや多くのオンショアの国や地域には、銀行が万が一破綻した場合に備えて、預金保険制度が設けられています。ただし、そのような保護制度が法律的にきちんと決まっている国や地域もあれば、明示的には決められておらず、時と場合に応じて政府が保証したりしなかったり、あるいは全く保証しない国や地域もあります。また、保障の仕組みも、民間銀行同士で保険料を支払って保護する仕組みの国や地域もありますし、政府が最終的に預金保護に責任を持つ国や地域もあります。さらに預金保険が明示的に導入されている国や地域でも、保障限度額の高い国や地域、低い国や地域、自国通貨預金のみ保護する国や地域、外貨預金まで保護する国や地域、一定の指定通貨預金の範囲で保護する国や地域など、内容は様々です。ここで世界各国の預金保険制度(Deposit Insurance System)をすべて説明するとなると膨大な量になるので、このようにいろんな場合や事情が各国や地域にはあるのだということに言及するに留めます。なお、このページの最初の方の銀行や証券会社、外国為替両替(FX)会社の種類で主なオフショアやオンショアの国や地域の預金保険制度について説明していますのでご参照ください。また、世界の多数の国や地域の預金保険制度について詳細にお調べになりたい方は、世界銀行がまとめた英文レポートが公開されていますので参考にしてください。様々は角度から、上手に各国や地域の預金保険制度の種類を表にまとめています。